ヤドリギ

ぼく「ヤドリギ」。えっ、どこにいるのかって? 木の枝のところについている緑色の丸い毛玉みたいなの。そう、そう、それがぼく。なんでそんなところにいるのかって? 実はぼく自分一人じゃ生きていけないんだ。この木から水や栄養を別けてもらって生活しているんだ。きみたち人間でいえば、仕送りしてもらいながら学校にいってる学生みたいなものかな・・・。まあ、ひらたくいえば居候(いそうろう)だね。だから「宿り木」っていう名前をもらったんだ。でも、ちゃんと”バイト”もしてるんだから。見て見て、緑色に見えるのは葉っぱなんだよ。だから自分でも栄養をつくって稼いではいるんだけれど、居候っていごこちがいいからやめられないんだよね。情けない? まあいいじゃない。いろんな生き方があるから世の中おもしろいんだからさ・・・。
秋もおわりになると”おおやさん”の木が葉っぱをおとして”冬ごもり”しちゃうから、ぼくとてもめだっちゃうんだよね。ひごろおんぶにだっこでお世話になってるぶん、冬のあいだも葉っぱを落とさないでがんばってるってわけ。けっこう捨てたもんじゃないでしょう。
ところで、ぼくたちって木のかなり高いところにいるんだけれど、どうやってここにたどりついたかわかるかい? 歩いてきたわけじゃないんだよ・・・。まだぼくが果実だったころ、とてもひつこい性格でね、ネバネバしてたんだ。でも黄色や赤色のきれいな実だからキレンジャクやヒヨドリのような野鳥が食べにやってくるわけ。鳥に食べられても種の部分は固くて消化されないから、鳥がよその木でトイレをしたときにうまい具合に木の枝にくっつけば、そこから芽をだしておおきくなれるというしかけになってるんだ。種がフンになって出てくるときもネバネバしてるから、枝にくっつきやすいしかけになってるんだ。根っ子はおおやさんの木の枝にしっかりと差し込んでね。
こずえのほうは太陽の光もたっぷり浴びられるし、水や栄養はおおやさんがわけてくれるし、やっぱりこの居候生活はとうぶんやめられそうねないね。じゃ、どっかの森でみかけたらよろしくね!




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